抗凝固療法中にも関わらず発症した内頸動脈塞栓症の原因として左上肺野切除後の肺静脈断端部血栓を疑った1 例
要旨:症例は75 歳男性で,左肺癌で左上肺野切除術後に左内頸動脈閉塞による脳梗塞を発症した.非弁膜症性心房細動に対してダビガトランが投与されていた.心房内血栓による塞栓症と当初考えていたが,左肺静脈切除断端部に血栓が発見されたため,そこからの塞栓の可能性も疑われた.肺切除後の肺静脈断端部の血栓と塞栓症との関連性は現時点で不明であるが,血栓が検出されれば適切な抗凝固療法が勧められる.断端部血栓の危険因子である左上肺野切除後には造影CT による肺静脈内血栓の検索が有用である....
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          | Published in | 脳卒中 Vol. 36; no. 4; pp. 275 - 277 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本脳卒中学会
    
        2014
     日本脳卒中学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI | 10.3995/jstroke.36.275 | 
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| Summary: | 要旨:症例は75 歳男性で,左肺癌で左上肺野切除術後に左内頸動脈閉塞による脳梗塞を発症した.非弁膜症性心房細動に対してダビガトランが投与されていた.心房内血栓による塞栓症と当初考えていたが,左肺静脈切除断端部に血栓が発見されたため,そこからの塞栓の可能性も疑われた.肺切除後の肺静脈断端部の血栓と塞栓症との関連性は現時点で不明であるが,血栓が検出されれば適切な抗凝固療法が勧められる.断端部血栓の危険因子である左上肺野切除後には造影CT による肺静脈内血栓の検索が有用である. | 
|---|---|
| ISSN: | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI: | 10.3995/jstroke.36.275 |