腰椎椎間板ヘルニアに対するレーザー治療の動向

腰椎椎間板ヘルニアのレーザー治療は,海外ではレーザー照射による神経根への減圧が直接観察できないこと等から,現在内視鏡下手術における椎間板蒸散や止血に用いられている.一方我が国では,低侵襲治療法の一つとして1980年代から現在まで民間病院を中心に多くの症例に行われている.無効例に対する本法への関連学会からの強い批判が見られる一方,その診療実態そのものが明らかではない.今回アンケート形式による全国調査を実施した.およそ80%は民間2施設で施行されており,典型的腰椎椎間板ヘルニアの症状である神経根症状を有する症例のみならず,腰痛にも適応されている.根症状と椎間板性腰痛はその病態が異なり,本法の適応症...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 31; no. 2; pp. 136 - 140
Main Authors 大西, 諭一郎, 吉峰, 俊樹, 芳村, 憲泰, 石原, 正浩, 森, 康輔, 梅垣, 昌士, 岩月, 幸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 2010
日本レーザー医学会
Subjects
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.31.136

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Summary:腰椎椎間板ヘルニアのレーザー治療は,海外ではレーザー照射による神経根への減圧が直接観察できないこと等から,現在内視鏡下手術における椎間板蒸散や止血に用いられている.一方我が国では,低侵襲治療法の一つとして1980年代から現在まで民間病院を中心に多くの症例に行われている.無効例に対する本法への関連学会からの強い批判が見られる一方,その診療実態そのものが明らかではない.今回アンケート形式による全国調査を実施した.およそ80%は民間2施設で施行されており,典型的腰椎椎間板ヘルニアの症状である神経根症状を有する症例のみならず,腰痛にも適応されている.根症状と椎間板性腰痛はその病態が異なり,本法の適応症とレーザー照射法等にはいまだ充分議論されているとは言い難い.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.31.136