膝蓋骨骨折手術の執刀直前に肺血栓塞栓症を合併した一症例

膝蓋骨骨折に対し深部静脈血栓症の予防を図ったが, 手術の執刀直前.下肢の駆血によって肺血栓塞栓症を発症した症例を報告する。72歳, 女性。左膝蓋骨骨折にて, 膝関節は固定されるが足関節を自由に動かすことができる装具を装着されて自宅待機し, 受傷後第10病日に手術が予定された。全身麻酔下, 下肢を駆血した直後に肺血栓塞栓症を発症した。ヘパリンの静注で状態は安定し, 循環器科専門医のいる病院に転送後, 下大静脈フィルターの留置と抗凝固療法を受けて安全に手術が施行された。静脈血栓塞栓症を完全に予防することは困難であるため, 発症後はヘパリンを投与し, 循環器専門医のいる施設に転送することが救命のため...

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Published in蘇生 Vol. 26; no. 2; pp. 118 - 122
Main Authors 瀬尾, 憲正, 塚本, 昇, 藤田, 尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 2007
The Japanese Society of Reanimatology
Subjects
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology1983.26.118

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Summary:膝蓋骨骨折に対し深部静脈血栓症の予防を図ったが, 手術の執刀直前.下肢の駆血によって肺血栓塞栓症を発症した症例を報告する。72歳, 女性。左膝蓋骨骨折にて, 膝関節は固定されるが足関節を自由に動かすことができる装具を装着されて自宅待機し, 受傷後第10病日に手術が予定された。全身麻酔下, 下肢を駆血した直後に肺血栓塞栓症を発症した。ヘパリンの静注で状態は安定し, 循環器科専門医のいる病院に転送後, 下大静脈フィルターの留置と抗凝固療法を受けて安全に手術が施行された。静脈血栓塞栓症を完全に予防することは困難であるため, 発症後はヘパリンを投与し, 循環器専門医のいる施設に転送することが救命のために重要である。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology1983.26.118