ループスモデルマウスによる皮膚ループスの病態解明

自然発症性SLEモデルマウスは,皮膚の真皮表皮の境界部に免疫グロブリンあるいは補体が沈着する(Lupus band test LBT陽性).しかし,皮疹を自然発症するSLEモデルマウスは少ない.その中で,老齢MRL/nマウスの皮膚病変は,ヒトMCTD(混合性結合織病)の皮疹の所見に酷似し,MRL/lprマウスの皮膚病変はヒトLEに類似している.モデルマウスの研究から,各ストレインにはループス易発症性の遺伝学的背景がまず存在し,その上で独自のLBTに関する遺伝学的な支配様式があること,LBTの成因には坑DNA抗体が関与していることや皮疹発症に至るには複数の遺伝子支配形式が必要であることが明らかと...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 33; no. 4; pp. 169 - 173
Main Authors 吉益, 隆, 金澤, 伸雄, 古川, 福実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2010
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.33.169

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Summary:自然発症性SLEモデルマウスは,皮膚の真皮表皮の境界部に免疫グロブリンあるいは補体が沈着する(Lupus band test LBT陽性).しかし,皮疹を自然発症するSLEモデルマウスは少ない.その中で,老齢MRL/nマウスの皮膚病変は,ヒトMCTD(混合性結合織病)の皮疹の所見に酷似し,MRL/lprマウスの皮膚病変はヒトLEに類似している.モデルマウスの研究から,各ストレインにはループス易発症性の遺伝学的背景がまず存在し,その上で独自のLBTに関する遺伝学的な支配様式があること,LBTの成因には坑DNA抗体が関与していることや皮疹発症に至るには複数の遺伝子支配形式が必要であることが明らかとなっている.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.33.169