院外処方せんに表示した臨床検査値に関する疑義照会内容の解析

「緒言」 医薬分業は, 医師と薬剤師が薬物療法において, それぞれの専門分野で業務を分担することで, 医療における質の向上につなげるものである. 薬剤師法第24条では, 処方せん中に疑わしい点がある時は, 処方医に確認するまでは調剤できないことが明記されている. すなわち, 医師への疑義照会は, 患者の生命や健康被害を未然に防ぐ役割を担っている. 臨床検査値(検査値)は患者の病態を客観的に判断できる一指標になるため, 処方監査や薬学的知見に基づく医師への疑義照会に役立ち, 適切な薬物療法への貢献を可能にする. 現在, 多くの病院において薬剤師は電子カルテ等に集約された検査値を活用しながら処方監...

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Published in医療薬学 Vol. 44; no. 5; pp. 229 - 235
Main Authors 佐野, 梓, 柊迫, 美咲, 田中, 瑠美, 片山, 美幸, 辻, 敏和, グリム, 理恵子, 渡邊, 裕之, 金谷, 朗子, 末次, 王卓, 田島, 壮一郎, 秦, 晃二郎, 増田, 智先
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.05.2018
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.44.229

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Summary:「緒言」 医薬分業は, 医師と薬剤師が薬物療法において, それぞれの専門分野で業務を分担することで, 医療における質の向上につなげるものである. 薬剤師法第24条では, 処方せん中に疑わしい点がある時は, 処方医に確認するまでは調剤できないことが明記されている. すなわち, 医師への疑義照会は, 患者の生命や健康被害を未然に防ぐ役割を担っている. 臨床検査値(検査値)は患者の病態を客観的に判断できる一指標になるため, 処方監査や薬学的知見に基づく医師への疑義照会に役立ち, 適切な薬物療法への貢献を可能にする. 現在, 多くの病院において薬剤師は電子カルテ等に集約された検査値を活用しながら処方監査や疑義照会などを行っているが, 保険薬局薬剤師が入手できる情報は処方せんに記載されている情報および患者からの聞き取りに限られている. 医薬品のなかには, 添付文書上, 定期的な検査が義務づけられているものもあり, 処方監査時における検査値活用の重要性が高まっている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.44.229