経鼻チューブを使用した経管投与がストロメクトール®錠の投与量に及ぼす影響

「緒言」疥癬はヒト皮膚角質層にヒゼンダニ(疥癬虫, Sarcoptes scabiei var hominis)が寄生することで発症する皮膚感染症である. 本邦での疥癬の治療には外用薬が用いられてきたが, 全身塗布を必要とするなど医療従事者および患者の負担が大きいという問題があった. 加えて, γ-benzene hexachloride(γ-BHC)の使用は試薬の入手も不可能となり, さらに, 最も効果があるとされるペルメトリン外用剤は本邦において承認されていない. 一方, 本邦で経口疥癬治療薬としての適応が承認されたストロメクトール(R)錠(一般名:イベルメクチン)は, 数回の服用で高い有...

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Published in医療薬学 Vol. 40; no. 9; pp. 515 - 521
Main Authors 小茂田, 昌代, 宮嶋, 篤志, 廣田, 孝司, 金, 永進, 酒巻, 智美, 湯浅, 奈絵, 吉増, 孝嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.09.2014
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.40.515

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Summary:「緒言」疥癬はヒト皮膚角質層にヒゼンダニ(疥癬虫, Sarcoptes scabiei var hominis)が寄生することで発症する皮膚感染症である. 本邦での疥癬の治療には外用薬が用いられてきたが, 全身塗布を必要とするなど医療従事者および患者の負担が大きいという問題があった. 加えて, γ-benzene hexachloride(γ-BHC)の使用は試薬の入手も不可能となり, さらに, 最も効果があるとされるペルメトリン外用剤は本邦において承認されていない. 一方, 本邦で経口疥癬治療薬としての適応が承認されたストロメクトール(R)錠(一般名:イベルメクチン)は, 数回の服用で高い有効性が示され利便性にも優れることから, 現在, 疥癬治療に繁用されている. 疥癬は免疫力の低下した高齢者などに多く発症する疾患であるため, 患者は経腸栄養剤を経管投与されている場合も多いと想定される. ストロメクトール(R)錠を経管投与する場合, 近年では錠剤を粉砕せずに水を用いて崩壊・懸濁させて投与する簡易懸濁法が普及しつつある.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.40.515