菌血症が疑われた患者に対するTazobactam/Piperacillin長時間投与の有効性
「緒言」 Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC)は, 広域でかつ強力な抗菌力を有しており, 優れた臨床効果を示す薬剤である. Pharmacokinetics/pharmacodynamics (PK/PD)理論からするとTAZ/PIPCの効果は時間依存性殺菌作用であるため, Time above minimum inhibitory concentration (MIC)が重要なパラメータとなる. そのため, 1日の投与回数を増やすことや1回投与時間を延長することによりTime above MICを増加させる方法が有用と考えられる. TAZ/PIPCはペニシリン...
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          | Published in | 医療薬学 Vol. 46; no. 5; pp. 272 - 278 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人日本医療薬学会
    
        10.05.2020
     日本医療薬学会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1346-342X 1882-1499  | 
| DOI | 10.5649/jjphcs.46.272 | 
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| Summary: | 「緒言」 Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC)は, 広域でかつ強力な抗菌力を有しており, 優れた臨床効果を示す薬剤である. Pharmacokinetics/pharmacodynamics (PK/PD)理論からするとTAZ/PIPCの効果は時間依存性殺菌作用であるため, Time above minimum inhibitory concentration (MIC)が重要なパラメータとなる. そのため, 1日の投与回数を増やすことや1回投与時間を延長することによりTime above MICを増加させる方法が有用と考えられる. TAZ/PIPCはペニシリン系抗菌薬であり, Time above MICが投与間隔時間の30%以上で増殖抑制作用, 50%で最大殺菌作用を示すことが報告されている. また, 2015年にはTAZ/PIPCについて, 9つの観察研究および5つのランダム化試験の結果に基づいたメタ解析が公表されており, 臨床的な有用性, あるいは死亡率の低減という点で従来の点滴投与法と比較した場合, 点滴時間の延長または持続点滴が優れていることが示されている. | 
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| ISSN: | 1346-342X 1882-1499  | 
| DOI: | 10.5649/jjphcs.46.272 |