薬剤師による継続的な吸入指導がもたらす喘息外来患者の喘息コントロール改善効果
「緒言」 気管支喘息は, 気道の慢性炎症と気道狭窄, 気道過敏性の亢進で特徴づけられる慢性疾患であり, その症状は咳, 喘鳴や呼吸困難が代表的であるが, 気道の炎症が起こっていても症状がほとんど現れないことがある. 気管支喘息治療を長期にわたり良好に管理するためには, 第一選択として吸入ステロイド薬を使用することが重要であり, 継続的に使用することにより気道の炎症が抑制され, 呼吸しやすい状態へ導くことができる. しかし, 吸入薬の不適切な吸入方法や服薬の自己中断によるアドヒアランスの低下により再度, 悪化してしまうことも多い. 従って, 服薬アドヒアランスの維持・向上を考えた場合, 喘息患者...
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Published in | 医療薬学 Vol. 42; no. 9; pp. 620 - 625 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2016
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.42.620 |
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Summary: | 「緒言」 気管支喘息は, 気道の慢性炎症と気道狭窄, 気道過敏性の亢進で特徴づけられる慢性疾患であり, その症状は咳, 喘鳴や呼吸困難が代表的であるが, 気道の炎症が起こっていても症状がほとんど現れないことがある. 気管支喘息治療を長期にわたり良好に管理するためには, 第一選択として吸入ステロイド薬を使用することが重要であり, 継続的に使用することにより気道の炎症が抑制され, 呼吸しやすい状態へ導くことができる. しかし, 吸入薬の不適切な吸入方法や服薬の自己中断によるアドヒアランスの低下により再度, 悪化してしまうことも多い. 従って, 服薬アドヒアランスの維持・向上を考えた場合, 喘息患者に適切な吸入指導や服薬の重要性を教えることは, 薬物治療を成功させるための重要なポイントであると考えられる. このような考え方から, 当院においても「薬剤師喘息外来」を開設し, 外来加療中の喘息患者に薬学的介入を実施して, その効果を報告している. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.42.620 |