音声障害に対するIntensive Voice Therapyの試み

「はじめに」 音声治療は発声様式を適正化することで声帯振動の効率化を図り, 声帯粘膜への負担を最小限としながら最大限の発声を可能とさせる訓練法である. 音声治療の第一の適応は機能的問題である. これは呼吸, 発声, 共鳴の全過程で起こり得るものであるが, 疾患名として挙げれば声帯結節等の炎症性病変, および機能性発声障害(過緊張性発声障害, 変声障害等)の機能的問題を有する疾患が最もよい適応となる. 効果は限定的とされながらも, 声帯瘢痕や溝症のような硬化性病変, 反回神経麻痺等においてもその機能的問題に対し改善効果が症例報告で示されるなど音声治療は病因に関係なく広く用いられている. 発声訓練...

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Published in喉頭 Vol. 33; no. 2; pp. 200 - 205
Main Authors 金子, 真美, 平野, 滋, 杉山, 庸一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.12.2021
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.33.200

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Summary:「はじめに」 音声治療は発声様式を適正化することで声帯振動の効率化を図り, 声帯粘膜への負担を最小限としながら最大限の発声を可能とさせる訓練法である. 音声治療の第一の適応は機能的問題である. これは呼吸, 発声, 共鳴の全過程で起こり得るものであるが, 疾患名として挙げれば声帯結節等の炎症性病変, および機能性発声障害(過緊張性発声障害, 変声障害等)の機能的問題を有する疾患が最もよい適応となる. 効果は限定的とされながらも, 声帯瘢痕や溝症のような硬化性病変, 反回神経麻痺等においてもその機能的問題に対し改善効果が症例報告で示されるなど音声治療は病因に関係なく広く用いられている. 発声訓練を単音, 単語, 短文, 日常会話といった各レベルでの達成を経ながら階層的に音声治療課題を向上させていく通常の音声治療は1人の臨床家が1回40~45分のセッションを1週間に1~2回のペースで8~12週間行うものとされている.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.33.200