Jクラブ育成チームに所属する小学生・中学生・高校生男子サッカー選手の食生活の特性ならびにQOLとの関連

【目的】競技レベルの高いサッカークラブに所属する男子小学生,中学生,高校生の食生活の特性の検討,QOLと食生活の構成要因との関連の検討を目的とした。 【方法】小学生59名,中学生114名,高校生75名を解析対象とした(有効回答率100%,100%,99%)。自記式質問紙調査の枠組みはQOL,健康・栄養状態,食物摂取状況,行動(食行動,食情報交換・活用行動),中間要因(食行動の変容段階),知識・態度・スキル,属性,環境とした。 【結果】中学生と高校生は家族と関わる食事づくり行動および家族との夕食の共食頻度が低かった。高校生は小学生・中学生にくらべ牛乳・乳製品の摂取頻度が低く,1日2回以上食べるこ...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 70; no. 4; pp. 219 - 235
Main Authors 稲山, 貴代, 西川, 誠太, 大滝, 裕美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 2012
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.70.219

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Summary:【目的】競技レベルの高いサッカークラブに所属する男子小学生,中学生,高校生の食生活の特性の検討,QOLと食生活の構成要因との関連の検討を目的とした。 【方法】小学生59名,中学生114名,高校生75名を解析対象とした(有効回答率100%,100%,99%)。自記式質問紙調査の枠組みはQOL,健康・栄養状態,食物摂取状況,行動(食行動,食情報交換・活用行動),中間要因(食行動の変容段階),知識・態度・スキル,属性,環境とした。 【結果】中学生と高校生は家族と関わる食事づくり行動および家族との夕食の共食頻度が低かった。高校生は小学生・中学生にくらべ牛乳・乳製品の摂取頻度が低く,1日2回以上食べることをとても大切と考える者が少なかった。QOLと関連する食生活の構成要因は,中学生は「主体的にバランスのよい食事をとるときのスキルと食卓での家族との会話」,「主に副菜に注目した食べる行動」,高校生は「バランスのよい食事に対するセルフ・エフィカシー」,「主に副菜に注目した結果期待,セルフ・エフィカシー,行動変容段階と行動」であった。因子分析では小学生の解は得られなかった。 【結論】本対象者では多くの項目に学校種による差は認められず,中学生や高校生の家族と関わる行動の頻度に思春期の特性が反映していると考えられた。QOLと食生活の構成要因との関連から,中学生は食事バランスを整えることを可能にするスキルの獲得,高校生はセルフ・エフィカシーをキーワードにしたプログラムというように,学校種によって食教育介入のアプローチを変える必要性が示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.70.219