危機的出血への対応の現状と今後の方向性

「危機的出血への対応ガイドライン」が発表されてから7年が過ぎた.ガイドラインの普及による危機的出血の頻度低下や,予後の改善についての直接的なエビデンスはない.しかし,日本麻酔科学会の調査は,5,000mL以上の出血例における予後の改善を示唆している.ガイドラインの改訂が進行中であるが,フィブリノゲンの供給法や,Massive Transfusion Protocol(MTP)の導入などについての検討が行われている.フィブリノゲン補充のための乾燥人フィブリノゲン製剤やクリオプレシピテートの使用についての議論が行われている.産科危機的出血における自己血回収法使用の是非についても検討が進められている...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 34; no. 7; pp. 854 - 859
Main Author 稲田, 英一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2014
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.34.854

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Summary:「危機的出血への対応ガイドライン」が発表されてから7年が過ぎた.ガイドラインの普及による危機的出血の頻度低下や,予後の改善についての直接的なエビデンスはない.しかし,日本麻酔科学会の調査は,5,000mL以上の出血例における予後の改善を示唆している.ガイドラインの改訂が進行中であるが,フィブリノゲンの供給法や,Massive Transfusion Protocol(MTP)の導入などについての検討が行われている.フィブリノゲン補充のための乾燥人フィブリノゲン製剤やクリオプレシピテートの使用についての議論が行われている.産科危機的出血における自己血回収法使用の是非についても検討が進められている.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.34.854