悪性黒色腫胆嚢転移の1例

要旨:症例は70歳代女性.4年前に,右前腕の悪性黒色腫手術既往あり.経過観察のCTにて胆嚢腫瘍の疑いあり,精査目的に当科入院となった.腹部超音波検査(US)では胆嚢体部に30 mm大の亜有茎性腫瘤を認めた.カラードプラ断層法画像では基部から線状の血流シグナルを認めた.ソナゾイド®を用いた造影USでは腫瘤中心部に造影効果を認めたが,辺縁部では造影効果に乏しかった.単純CTでは,胆嚢体部腹腔側に30 mm大の腫瘤性病変を認め,造影CTでは早期より腫瘤中心部が造影された.超音波内視鏡検査(EUS)では腫瘤最外層に高エコー帯が存在し,表面は平滑であった.造影EUSではUS同様,腫瘤中心部にのみ造影効果...

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Published in胆道 Vol. 26; no. 1; pp. 101 - 107
Main Authors 廣岡, 芳樹, 大野, 栄三郎, 平松, 武, 川嶋, 啓揮, 石川, 卓哉, 伊藤, 彰浩, 春日井, 俊史, 松原, 浩, 後藤, 秀実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2012
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.26.101

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Summary:要旨:症例は70歳代女性.4年前に,右前腕の悪性黒色腫手術既往あり.経過観察のCTにて胆嚢腫瘍の疑いあり,精査目的に当科入院となった.腹部超音波検査(US)では胆嚢体部に30 mm大の亜有茎性腫瘤を認めた.カラードプラ断層法画像では基部から線状の血流シグナルを認めた.ソナゾイド®を用いた造影USでは腫瘤中心部に造影効果を認めたが,辺縁部では造影効果に乏しかった.単純CTでは,胆嚢体部腹腔側に30 mm大の腫瘤性病変を認め,造影CTでは早期より腫瘤中心部が造影された.超音波内視鏡検査(EUS)では腫瘤最外層に高エコー帯が存在し,表面は平滑であった.造影EUSではUS同様,腫瘤中心部にのみ造影効果を認めた.以上の検査結果より,転移性胆嚢腫瘍を第一に疑い,開腹胆嚢摘出術を行った.最終病理診断は,悪性黒色腫胆嚢転移であった.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.26.101