EUS-FNAが診断に有用であった成人膵芽腫の一例

「要旨」:症例は30代女性. 上腹部痛を主訴に当院を受診. CT上, 膵頭部に37mmの境界明瞭な充実性腫瘤を認め, 内部は不均一でわずかに造影され, 石灰化を有していた. EUS-FNAを施行し, 膵芽腫と診断された. 成人の膵芽腫はまれであるが, 悪性度が高く, 迅速なEUS-FNA診断が必須と考えられた. 「はじめに」成人膵芽腫は, 膵腫瘍全体の0.5%とまれな組織型である. 今回, その画像所見, 臨床病理学的特徴および迅速なEUS-FNA診断の重要性について文献的に考察した. なお, 本例は海外も含めた既存報告において, 膵芽腫に対してEUS, 造影EUS, EUS-FNA, Dif...

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Published in膵臓 Vol. 30; no. 5; pp. 689 - 696
Main Authors 川崎, 誠治, 金澤, 亮, 渡辺, 純夫, 福村, 由紀, 三浦, 寛子, 加藤, 俊介, 椎名, 秀一朗, 崔, 仁煥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.10.2015
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.30.689

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Summary:「要旨」:症例は30代女性. 上腹部痛を主訴に当院を受診. CT上, 膵頭部に37mmの境界明瞭な充実性腫瘤を認め, 内部は不均一でわずかに造影され, 石灰化を有していた. EUS-FNAを施行し, 膵芽腫と診断された. 成人の膵芽腫はまれであるが, 悪性度が高く, 迅速なEUS-FNA診断が必須と考えられた. 「はじめに」成人膵芽腫は, 膵腫瘍全体の0.5%とまれな組織型である. 今回, その画像所見, 臨床病理学的特徴および迅速なEUS-FNA診断の重要性について文献的に考察した. なお, 本例は海外も含めた既存報告において, 膵芽腫に対してEUS, 造影EUS, EUS-FNA, Diffusion MRI, MRCPを施行したはじめての症例となる. 「症例」患者:30代女性. 主訴:上腹部痛. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:8カ月前より上腹部痛を自覚し, 他院を受診するが異常なしといわれ, プロトンポンプインヒビターなどを処方されるも改善なく, 当院を受診.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.30.689