全身麻酔前後の呼吸抵抗の評価─セボフルランとデスフルランの比較

気道刺激性の強いデスフルランの使用が,抜管後の呼吸に与える影響を調査するため,全身麻酔で経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行する患者を対象として前向き観察研究を行った.術前と全身麻酔における抜管後に,オッシレーション波の周波数が5Hzの呼吸抵抗(R5),20Hzの呼吸抵抗(R20)を測定し,セボフルラン群18症例とデスフルラン群14症例で比較した.術前の各測定項目には,2群間で有意差はなかった.いずれの群でも抜管後に,R5値およびR20値は有意に上昇した.抜管後のR5値およびR20値は2群間に有意差はなかった.揮発性吸入麻酔薬の違いによって,全身麻酔前後の呼吸抵抗に差異はないことが示唆された....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 38; no. 3; pp. 304 - 309
Main Authors 澤井, 俊幸, 中平, 淳子, 中野, 祥子, 尾野, 直美, 南, 敏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.05.2018
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.38.304

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Summary:気道刺激性の強いデスフルランの使用が,抜管後の呼吸に与える影響を調査するため,全身麻酔で経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行する患者を対象として前向き観察研究を行った.術前と全身麻酔における抜管後に,オッシレーション波の周波数が5Hzの呼吸抵抗(R5),20Hzの呼吸抵抗(R20)を測定し,セボフルラン群18症例とデスフルラン群14症例で比較した.術前の各測定項目には,2群間で有意差はなかった.いずれの群でも抜管後に,R5値およびR20値は有意に上昇した.抜管後のR5値およびR20値は2群間に有意差はなかった.揮発性吸入麻酔薬の違いによって,全身麻酔前後の呼吸抵抗に差異はないことが示唆された.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.38.304