腹腔鏡下胆嚢摘出術後の遺残結石による腹腔内膿瘍に対し単孔式腹腔鏡手術にて根治しえた1例

症例は65歳男性,12年前に胆嚢結石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた既往があった.健康診断の腹部超音波でモリソン窩に腫瘤を指摘された.当院で施行した,CTとMRIの結果は遺残胆石による腹腔内膿瘍,それと連続して皮下膿瘍が判明した.超音波ガイド下で穿刺するも膿瘍は消失せず,今回単孔式腹腔鏡手術により腹腔内膿瘍に対しては気腹を用いたアプローチを,皮下膿瘍に対しては切開排膿後に気嚢を用いたアプローチを用いてドレナージし完治しえた1例を経験した.遺残胆石による腹腔内膿瘍や皮下膿瘍に対して単孔式腹腔鏡手術により創部を最小限に施行し低侵襲性と整容性を考慮した報告はなく,今回報告をさせていただく....

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Published in胆道 Vol. 34; no. 2; pp. 175 - 180
Main Authors 橋田, 和樹, 北川, 裕久, 山川, 達也, 内田, 晧士, 守本, 芳典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2020
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.34.175

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Summary:症例は65歳男性,12年前に胆嚢結石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた既往があった.健康診断の腹部超音波でモリソン窩に腫瘤を指摘された.当院で施行した,CTとMRIの結果は遺残胆石による腹腔内膿瘍,それと連続して皮下膿瘍が判明した.超音波ガイド下で穿刺するも膿瘍は消失せず,今回単孔式腹腔鏡手術により腹腔内膿瘍に対しては気腹を用いたアプローチを,皮下膿瘍に対しては切開排膿後に気嚢を用いたアプローチを用いてドレナージし完治しえた1例を経験した.遺残胆石による腹腔内膿瘍や皮下膿瘍に対して単孔式腹腔鏡手術により創部を最小限に施行し低侵襲性と整容性を考慮した報告はなく,今回報告をさせていただく.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.34.175