頸部内頸動脈偽閉塞症の病態と頸動脈血栓内膜剥離術の妥当性

頸部内頸動脈偽閉塞症atheromatous pseudo-occlusion of the internal carotid arteryは, 1980年にShekharらによって報告された病態である20). この病態では, 頸部内頸動脈起始部に高度な動脈硬化性狭窄病変が存在し, 末梢側の内頸動脈の灌流圧が低下し, 動脈内腔が虚脱した状態を呈しているとされている. この病態に対しては, 頸部内頸動脈起始部の高度狭窄病変の切除による血流改善に伴って, 狭窄部より遠位部の形態も正常化する可能性があり, 頸動脈血栓内膜剥離術carotid endarterectomy(CEA)の有効性が示されてき...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 33; no. 3; pp. 187 - 192
Main Authors 林, 央周, 久保, 道也, 平島, 豊, 遠藤, 俊郎, 桑山, 直也, 堀, 恵美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2005
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.33.187

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Summary:頸部内頸動脈偽閉塞症atheromatous pseudo-occlusion of the internal carotid arteryは, 1980年にShekharらによって報告された病態である20). この病態では, 頸部内頸動脈起始部に高度な動脈硬化性狭窄病変が存在し, 末梢側の内頸動脈の灌流圧が低下し, 動脈内腔が虚脱した状態を呈しているとされている. この病態に対しては, 頸部内頸動脈起始部の高度狭窄病変の切除による血流改善に伴って, 狭窄部より遠位部の形態も正常化する可能性があり, 頸動脈血栓内膜剥離術carotid endarterectomy(CEA)の有効性が示されてきている17)20)22). これまでに脳血管撮影上, 頸部内頸動脈偽閉塞症と診断された8例に関して, 臨床経過, 画像所見, 手術所見などを検討して, 本病態の特徴に関して検討するとともに治療としてのCEAの妥当性を検討した. 対象および方法 対象は当施設でCEAが施行された266例中8例である(Table1). 年齢は52から78歳で平均は68歳, 全例男性であった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.33.187