神経線維腫症1型に合併した十二指腸乳頭部神経内分泌腫瘍および十二指腸gastrointestinal stromal tumorの1例
症例は71歳,女性.20歳代の時に神経線維腫症1型(NF1)(von Recklinghausen病)と診断された.かかりつけの医院で施行されたCTで膵頭部腫瘍が疑われ,当院へ紹介受診となった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸主乳頭に露出腫瘤型の腫瘍と,下行脚に粘膜下腫瘍を認めた.ソマトスタチン受容体シンチグラフィーでは十二指腸に異常集積を認めなかった.主乳頭腫瘍は生検で神経内分泌腫瘍(NET),下行脚粘膜下腫瘍はEUS-FNAでGISTと診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織検査で,NETはG1でリンパ節転移を伴い,GISTは超低リスクと診断した.NF1には様々な...
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Published in | 胆道 Vol. 33; no. 4; pp. 734 - 743 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
31.10.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.33.734 |
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Summary: | 症例は71歳,女性.20歳代の時に神経線維腫症1型(NF1)(von Recklinghausen病)と診断された.かかりつけの医院で施行されたCTで膵頭部腫瘍が疑われ,当院へ紹介受診となった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸主乳頭に露出腫瘤型の腫瘍と,下行脚に粘膜下腫瘍を認めた.ソマトスタチン受容体シンチグラフィーでは十二指腸に異常集積を認めなかった.主乳頭腫瘍は生検で神経内分泌腫瘍(NET),下行脚粘膜下腫瘍はEUS-FNAでGISTと診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織検査で,NETはG1でリンパ節転移を伴い,GISTは超低リスクと診断した.NF1には様々な腫瘍性病変が生じることが知られているが,十二指腸主乳頭NETと十二指腸GISTが併存した1例を経験したため,文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.33.734 |