健診にて発見され,異なる画像所見を呈した先天性気管支閉鎖症の2例

背景.先天性気管支閉鎖症(congenital bronchial atresia:CBA)の発生機序として,胎生期の気管支動脈の血流障害が提唱されている.症例.症例1は37歳女性.症例2は65歳男性.ともに感染の既往や自覚症状はなく,健診にて胸部異常陰影を指摘された.胸部CTでは気管支の閉鎖と末梢の限局性気腫を共通して認めたが,症例2にのみ粘液貯留がみられた.気管支鏡検査にて,症例1では左B6入口部は小陥凹となり膜様に閉鎖し,症例2では右B6は欠損していた.両症例とも粘膜上皮に異常を認めず,CBAと診断した.結論.健診にて発見され,異なる画像所見を呈したCBAの2例を経験した.限局性気腫を認...

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Published in気管支学 Vol. 41; no. 5; pp. 468 - 472
Main Authors 木村, 令, 福谷, 衣里子, 佐野, 未来, 西山, 裕乃, 小玉, 勇太, 篠塚, 怜衣, 横山, 俊彦, 青山, 大輔, 田宮, 裕太郎, 野村, 史郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.09.2019
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.41.5_468

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Summary:背景.先天性気管支閉鎖症(congenital bronchial atresia:CBA)の発生機序として,胎生期の気管支動脈の血流障害が提唱されている.症例.症例1は37歳女性.症例2は65歳男性.ともに感染の既往や自覚症状はなく,健診にて胸部異常陰影を指摘された.胸部CTでは気管支の閉鎖と末梢の限局性気腫を共通して認めたが,症例2にのみ粘液貯留がみられた.気管支鏡検査にて,症例1では左B6入口部は小陥凹となり膜様に閉鎖し,症例2では右B6は欠損していた.両症例とも粘膜上皮に異常を認めず,CBAと診断した.結論.健診にて発見され,異なる画像所見を呈したCBAの2例を経験した.限局性気腫を認める場合は,粘液貯留の有無に関わらず,CBAの可能性を念頭に気管支鏡検査を検討する必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.41.5_468