嚢腫状に拡張した下部胆管に認められた十二指腸乳頭部癌の1例
要旨:症例は70歳女性.USで肝内胆管,総胆管の拡張を認めた.CTで下部胆管に造影効果を有する腫瘍を認めた.内視鏡で十二指腸乳頭部の口側隆起は球状に腫大し,開口部粘膜の潰瘍性病変と十二指腸粘膜の襞集中を認めた.胆管深部挿管は困難でありsuprapapillary incisionを施行した.ERCで胆管末端の嚢腫状拡張を認めた.EUS,IDUSでは胆管末端は12 mm径の嚢腫状の拡張を認め,十二指腸乳頭部に腫瘍の筋層侵潤を認めた.乳頭部生検は腺癌であった.術前画像診断でAbから発生した浸潤癌と診断した.非共通管拡張型のCholedochoceleの合併も示唆された.手術施行されたが開腹時,肝臓...
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Published in | 胆道 Vol. 27; no. 2; pp. 240 - 246 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.27.240 |
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Summary: | 要旨:症例は70歳女性.USで肝内胆管,総胆管の拡張を認めた.CTで下部胆管に造影効果を有する腫瘍を認めた.内視鏡で十二指腸乳頭部の口側隆起は球状に腫大し,開口部粘膜の潰瘍性病変と十二指腸粘膜の襞集中を認めた.胆管深部挿管は困難でありsuprapapillary incisionを施行した.ERCで胆管末端の嚢腫状拡張を認めた.EUS,IDUSでは胆管末端は12 mm径の嚢腫状の拡張を認め,十二指腸乳頭部に腫瘍の筋層侵潤を認めた.乳頭部生検は腺癌であった.術前画像診断でAbから発生した浸潤癌と診断した.非共通管拡張型のCholedochoceleの合併も示唆された.手術施行されたが開腹時,肝臓に微小結節が多発していたため試験開腹のみとなった. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.27.240 |