長期間オキシコドンを服用している右大腿骨転移性骨腫瘍患者の周術期疼痛管理経験

長期オピオイド服用患者の周術期疼痛管理を経験したので報告する. 54歳, 女性. 右大腿骨転移性骨腫瘍に対し髄内釘が予定された. 癌性疼痛にて徐放性オキシコドン100mgと速放性オキシコドン5~15mgを内服していた. また気管支喘息による呼吸不全を合併していた. 硬膜外麻酔により疼痛が消失すると投与中のオキシコドンの相対的過量が生じる恐れがあるため, 術当日朝の徐放性オキシコドンを中止した. 術中は0.75%ロピバカインを用いた硬膜外麻酔にプロポフォール鎮静を併用して麻酔管理を行ったが, 呼吸抑制はなかった. 術後は持続硬膜外鎮痛と速放性オキシコドンのみで管理したが, 著明な術後痛や退薬症候...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29; no. 3; pp. 290 - 293
Main Authors 大路, 牧人, 高田, 正史, 村田, 寛明, 北條, 美能留, 澄川, 耕二, 趙, 成三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2009
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.29.290

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Summary:長期オピオイド服用患者の周術期疼痛管理を経験したので報告する. 54歳, 女性. 右大腿骨転移性骨腫瘍に対し髄内釘が予定された. 癌性疼痛にて徐放性オキシコドン100mgと速放性オキシコドン5~15mgを内服していた. また気管支喘息による呼吸不全を合併していた. 硬膜外麻酔により疼痛が消失すると投与中のオキシコドンの相対的過量が生じる恐れがあるため, 術当日朝の徐放性オキシコドンを中止した. 術中は0.75%ロピバカインを用いた硬膜外麻酔にプロポフォール鎮静を併用して麻酔管理を行ったが, 呼吸抑制はなかった. 術後は持続硬膜外鎮痛と速放性オキシコドンのみで管理したが, 著明な術後痛や退薬症候は認めなかった.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.29.290