声門マーカーを指標とした気管チューブ固定の問題点

気管チューブ(ETT)をカフの上部に付けられた黒線の遠位端(声門マーカー)を指標に固定した場合の気管支挿管の発生頻度を,成人全身麻酔症例で後ろ向きに検討した.胸部X線写真で,気管支挿管は全体の1.4%(4/283人)に認めた.また,女性で有意に気管支挿管のリスクが高かった.この結果に関し,別の患者群のCT上の気管の長さ,使用したETTの先端から声門マーカーまでの距離(DM)をそれぞれ計測し検証した.声門マーカーをETT固定の目安にする際は,ETTの太さだけでなくDMを考慮してサイズの選択を行う必要がある....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 35; no. 1; pp. 015 - 020
Main Authors 趙, 成三, 澄川, 耕二, 原, 哲也, 荒木, 寛, 荒木, 博子, 西岡, 健治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2015
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.35.015

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Summary:気管チューブ(ETT)をカフの上部に付けられた黒線の遠位端(声門マーカー)を指標に固定した場合の気管支挿管の発生頻度を,成人全身麻酔症例で後ろ向きに検討した.胸部X線写真で,気管支挿管は全体の1.4%(4/283人)に認めた.また,女性で有意に気管支挿管のリスクが高かった.この結果に関し,別の患者群のCT上の気管の長さ,使用したETTの先端から声門マーカーまでの距離(DM)をそれぞれ計測し検証した.声門マーカーをETT固定の目安にする際は,ETTの太さだけでなくDMを考慮してサイズの選択を行う必要がある.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.35.015