気管支カルチノイドの2例

背景.限局した気管支カルチノイドは,外科的切除を行うように推奨されているが,治療法は確立していない.症例1.50歳代,女性.人間ドックの胸部CTで右主気管支内の隆起性病変を指摘され当院を受診した.軟性気管支鏡下で高周波スネアを用いて切除し,定型カルチノイドと診断された.切除後1年が経過し再発は認めていない.症例2.40歳代,男性.人間ドックの胸部単純X線写真で異常影を指摘され当院を受診した.胸部CTで右底幹を閉塞する病変を認めた.胸腔鏡下右肺下葉切除術+リンパ節郭清(ND2a-1)が施行され,異型カルチノイドと診断された.術後5年が経過し再発は認めていない.結論.気管支カルチノイドの治療方針を...

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Published in気管支学 Vol. 42; no. 6; pp. 507 - 511
Main Authors 木本, 昌伸, 蜂谷, 勤, 濵, 峰幸, 平林, 太郎, 田中, 駿ノ介, 安尾, 将法
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2020
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.42.6_507

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Summary:背景.限局した気管支カルチノイドは,外科的切除を行うように推奨されているが,治療法は確立していない.症例1.50歳代,女性.人間ドックの胸部CTで右主気管支内の隆起性病変を指摘され当院を受診した.軟性気管支鏡下で高周波スネアを用いて切除し,定型カルチノイドと診断された.切除後1年が経過し再発は認めていない.症例2.40歳代,男性.人間ドックの胸部単純X線写真で異常影を指摘され当院を受診した.胸部CTで右底幹を閉塞する病変を認めた.胸腔鏡下右肺下葉切除術+リンパ節郭清(ND2a-1)が施行され,異型カルチノイドと診断された.術後5年が経過し再発は認めていない.結論.気管支カルチノイドの治療方針を決める上で,腫瘍の大きさ,位置,組織型,壁外浸潤の有無を確認することが重要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.42.6_507