出生前に指摘された新生児胃未熟奇形腫の1例
症例は,在胎37週6日,自然分娩にて2,790gで出生した男児.在胎34週2日の胎児超音波検査にて径55mmの腹腔内多房性嚢胞性腫瘤を指摘され,胎児MRI検査所見等から腹腔内リンパ管腫が疑われた.出生後,腹部膨満を認め,上腹部に表面不整で硬い成人手拳大の腫瘤を触知した.造影CT検査にて腫瘍内に石灰化を認め,胃原発未熟奇形腫を疑った.腫瘍は徐々に増大傾向し,酸素投与を要した.日齢14日,試験開腹,胃壁合併切除を伴う腫瘍摘出術を行い,術後の病理組織検査より胃未熟奇形腫と診断された.胃は胃壁合併切除に伴い管状となったが,経口哺乳で体重増加が得られ,日齢42自宅退院となった.まれな疾患であり,術前診断...
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Published in | 日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 59; no. 1; pp. 149 - 152 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
2023
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Subjects | |
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ISSN | 1348-964X 2435-4996 |
DOI | 10.34456/jjspnm.59.1_149 |
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Summary: | 症例は,在胎37週6日,自然分娩にて2,790gで出生した男児.在胎34週2日の胎児超音波検査にて径55mmの腹腔内多房性嚢胞性腫瘤を指摘され,胎児MRI検査所見等から腹腔内リンパ管腫が疑われた.出生後,腹部膨満を認め,上腹部に表面不整で硬い成人手拳大の腫瘤を触知した.造影CT検査にて腫瘍内に石灰化を認め,胃原発未熟奇形腫を疑った.腫瘍は徐々に増大傾向し,酸素投与を要した.日齢14日,試験開腹,胃壁合併切除を伴う腫瘍摘出術を行い,術後の病理組織検査より胃未熟奇形腫と診断された.胃は胃壁合併切除に伴い管状となったが,経口哺乳で体重増加が得られ,日齢42自宅退院となった.まれな疾患であり,術前診断,治療法などについて,文献的考察とともに報告する. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.59.1_149 |