神経線維腫症Ⅰ型に合併した上咽頭動静脈瘻の 1 例

症例は 17 歳男性. 神経線維腫症Ⅰ型と診断されている. 上咽頭出血を主訴に総合病院耳鼻咽喉科から当科へ紹介となった. 鼻咽喉ファイバーでは上咽頭後壁全体の発赤と赤色隆起性病変を認めた. 静脈奇形を疑い KTP レーザーによる光凝固を施行したが, 動脈性出血を認め止血は得られなかった. そのため 3D-CT アンギオグラフィーを施行したところ, 上行咽頭動脈が責任血管である動静脈瘻が疑われた. コイル塞栓術が施行され, 現在のところ再出血を認めていない. 神経線維腫症Ⅰ型は動静脈瘻や動静脈奇形, 動脈瘤などの様々な血管病変を合併することがあり, 本疾患に出血を認めた場合は動脈異常の有無を念頭...

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Published inStomato-pharyngology Vol. 30; no. 1; pp. 123 - 127
Main Authors 上田, 征吾, 原渕, 保明, 高原, 幹, 林, 達哉, 原渕, 翔平, 野村, 研一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 31.03.2017
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.30.123

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Summary:症例は 17 歳男性. 神経線維腫症Ⅰ型と診断されている. 上咽頭出血を主訴に総合病院耳鼻咽喉科から当科へ紹介となった. 鼻咽喉ファイバーでは上咽頭後壁全体の発赤と赤色隆起性病変を認めた. 静脈奇形を疑い KTP レーザーによる光凝固を施行したが, 動脈性出血を認め止血は得られなかった. そのため 3D-CT アンギオグラフィーを施行したところ, 上行咽頭動脈が責任血管である動静脈瘻が疑われた. コイル塞栓術が施行され, 現在のところ再出血を認めていない. 神経線維腫症Ⅰ型は動静脈瘻や動静脈奇形, 動脈瘤などの様々な血管病変を合併することがあり, 本疾患に出血を認めた場合は動脈異常の有無を念頭に置いて対処することが必要であると思われた.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.30.123