自動血球分析装置による末梢血幹細胞動員不良予測の試み

末梢血幹細胞動員には,一般に顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte colony-stimulating factor:G-CSF)製剤を用いるが,時に自家末梢血幹細胞採取において動員不良例を認めることがある.しかし,幹細胞動員を増加する薬剤の使用が可能となったことをうけ,今後の使用に向けて,投与に適切な患者選択を行うことを目的に,ハーベスト前日の末梢血Hematopoietic progenitor cell(HPC)数を用いた,動員不良例予測が可能か検討を行った.対象は,G-CSF製剤単剤か,化学療法とG-CSF製剤の併用で動員後,ハーベスト前日にHPC数を測定した34例である.ハ...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 64; no. 3; pp. 510 - 515
Main Authors 米村, 雄士, 松岡, 雅雄, 野坂, 生郷, 奥野, 豊, 笹田, 景子, 福吉, 葉子, 大隈, 雅紀, 舛田, 博貴, 松井, 啓隆, 内場, 光浩, 井上, 明威
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 30.06.2018
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.64.510

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Summary:末梢血幹細胞動員には,一般に顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte colony-stimulating factor:G-CSF)製剤を用いるが,時に自家末梢血幹細胞採取において動員不良例を認めることがある.しかし,幹細胞動員を増加する薬剤の使用が可能となったことをうけ,今後の使用に向けて,投与に適切な患者選択を行うことを目的に,ハーベスト前日の末梢血Hematopoietic progenitor cell(HPC)数を用いた,動員不良例予測が可能か検討を行った.対象は,G-CSF製剤単剤か,化学療法とG-CSF製剤の併用で動員後,ハーベスト前日にHPC数を測定した34例である.ハーベスト前日のHPC数で,0~5,6~10,11~20,21~/μlに分類すると,動員不良による移植断念例はそれぞれ,25%,14%,0%,0%であった.また,1回の動員で十分量の幹細胞を得られなかった症例の多くは,前日HPC数が20/μl以下に存在していたことから,20/μl以下の場合,動員不良の可能性があり,特に10/μl以下の場合は重度の採取困難例を含むものと考えられる.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.64.510