日本の超音波ガイド下神経ブロックの進歩

区域麻酔は約100年前にCrileが提唱し,20世紀初頭にLabatが解剖学の重要性を示した.1980年代に硬膜外麻酔を利用したマルチモーダル鎮痛が一般化したが,末梢神経ブロックはランドマーク法や神経刺激法での成功率が60〜80%だった.簡便な超音波画像診断装置を用いて,2004年から企業・有志が「現代の蘭学事始」のごとく活動し,2006年11月に「超音波ガイド下神経ブロック法 ポケットマニュアル」を発刊,2007年日本超音波区域麻酔研究会(瀬尾憲正会長)を旗揚げ,2014年に日本区域麻酔学会が設立され,超音波ガイド下神経ブロックは「百聞は一見に如かず」のわかりやすさにより,すべての麻酔科医の...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 38; no. 1; pp. 96 - 104
Main Authors 小松, 徹, 瀬尾, 憲正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.01.2018
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.38.96

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Summary:区域麻酔は約100年前にCrileが提唱し,20世紀初頭にLabatが解剖学の重要性を示した.1980年代に硬膜外麻酔を利用したマルチモーダル鎮痛が一般化したが,末梢神経ブロックはランドマーク法や神経刺激法での成功率が60〜80%だった.簡便な超音波画像診断装置を用いて,2004年から企業・有志が「現代の蘭学事始」のごとく活動し,2006年11月に「超音波ガイド下神経ブロック法 ポケットマニュアル」を発刊,2007年日本超音波区域麻酔研究会(瀬尾憲正会長)を旗揚げ,2014年に日本区域麻酔学会が設立され,超音波ガイド下神経ブロックは「百聞は一見に如かず」のわかりやすさにより,すべての麻酔科医の必須技術として麻酔−術後鎮痛の中心となっている.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.38.96