地表の放射性核種から放出される直接線の平均光子移動距離の理論解と線量率簡易計算への応用
「I 緒論」無限に続く平坦な地面に放射性物質が一様に沈着している状況は, 放射能の環境影響を評価する上で最も単純で基本的なモデルであり, 線量率の現場測定のモデル計算などに用いられている. 現場測定は通常地上1mで測定される. 線源から放出された光子のうち, 移動途中で散乱されて光子エネルギーが減少し, 移動方向を変えた光子の寄与を含む. 光子が長い距離を移動する場合や大きな線減衰係数を持つ媒質中を移動する場合は, 散乱される機会が増大するため, 線量率への散乱線の寄与が大きくなる. 放射性物質の地表への沈着状況は, 原子力施設の事故等によって放射性物質が環境に放出された直後は, 放射性物質は...
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| Published in | 保健物理 Vol. 54; no. 2; pp. 103 - 114 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本保健物理学会
17.06.2019
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| Subjects | |
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| ISSN | 0367-6110 1884-7560 |
| DOI | 10.5453/jhps.54.103 |
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| Summary: | 「I 緒論」無限に続く平坦な地面に放射性物質が一様に沈着している状況は, 放射能の環境影響を評価する上で最も単純で基本的なモデルであり, 線量率の現場測定のモデル計算などに用いられている. 現場測定は通常地上1mで測定される. 線源から放出された光子のうち, 移動途中で散乱されて光子エネルギーが減少し, 移動方向を変えた光子の寄与を含む. 光子が長い距離を移動する場合や大きな線減衰係数を持つ媒質中を移動する場合は, 散乱される機会が増大するため, 線量率への散乱線の寄与が大きくなる. 放射性物質の地表への沈着状況は, 原子力施設の事故等によって放射性物質が環境に放出された直後は, 放射性物質は地表面に沈着するが, 時間が経過するとともに徐々に土壌中に浸透していき, 土壌の深さ方向の濃度分布は指数関数で近似できる場合が多い. |
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| ISSN: | 0367-6110 1884-7560 |
| DOI: | 10.5453/jhps.54.103 |