1単位赤血球液に係わる考察―アンケート調査を踏まえて

「はじめに」少子高齢化により将来の献血者減少が予測されることから輸血用血液製剤の安定供給に向けた献血者確保は重要な課題である. 初回献血者の多くは「次回も献血をしたい. 」と感じており, その後の複数回献血へ繋がることが期待される. 若年者では初回献血時に血管迷走神経反応(VVR)のリスクが高いことを考慮して全血200ml採血が行われることが多いため, 200ml献血由来の赤血球製剤(赤血球液1単位:以下, RBC-1)の有効利用が望まれる. 平成24年度血液製剤使用実態調査結果では回答施設の約55%でRBC-1の使用実績があり, 低体重や心疾患の患者で輸血関連循環過負荷(TACO)の予防目的...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 62; no. 6; pp. 745 - 750
Main Authors 岩尾, 憲明, 梶原, 道子, 室井, 一男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 20.12.2016
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.62.745

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Summary:「はじめに」少子高齢化により将来の献血者減少が予測されることから輸血用血液製剤の安定供給に向けた献血者確保は重要な課題である. 初回献血者の多くは「次回も献血をしたい. 」と感じており, その後の複数回献血へ繋がることが期待される. 若年者では初回献血時に血管迷走神経反応(VVR)のリスクが高いことを考慮して全血200ml採血が行われることが多いため, 200ml献血由来の赤血球製剤(赤血球液1単位:以下, RBC-1)の有効利用が望まれる. 平成24年度血液製剤使用実態調査結果では回答施設の約55%でRBC-1の使用実績があり, 低体重や心疾患の患者で輸血関連循環過負荷(TACO)の予防目的での使用が示唆されているが, RBC-1の使用実態は不明の点が多い. そこで, 平成25年における小児・新生児領域と成人領域でのRBC-1の年間使用状況についてアンケート調査を実施し, RBC-1の供給面での課題や高齢患者におけるRBC-1の有用性に関する知見が得られたので報告する.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.62.745