レボドパ/カルビドパ配合経腸用液療法を導入したパーキンソン病患者に対する理学療法介入の1例

レボドパ/カルビドパ配合経腸用液療法(以下,LCIG)を導入した60歳代女性のパーキンソン病患者の理学療法(以下,PT)を経験した。LCIG導入前は,日中Off時間が約6時間で,Off時の無動に対する不安の為,6年間外出できなかった。Hospital Anxiety and Depression Scale(以下,HADS)におけるDepression(以下,D)は14点,Anxiety(以下,A)は,11点で抑うつ,不安症状と持久力,バランス能力の低下が認められた。LCIG導入と並行してPTでは今後の活動目標を共有し,必要な課題練習と持久力向上,バランス練習を実施した。導入から4ヶ月後,日中...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 69; no. 2; pp. 148 - 154
Main Authors 箱守, 正樹, 冨滿, 弘之, 豊田, 和典, 早坂, 未来
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2020
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.69.148

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Summary:レボドパ/カルビドパ配合経腸用液療法(以下,LCIG)を導入した60歳代女性のパーキンソン病患者の理学療法(以下,PT)を経験した。LCIG導入前は,日中Off時間が約6時間で,Off時の無動に対する不安の為,6年間外出できなかった。Hospital Anxiety and Depression Scale(以下,HADS)におけるDepression(以下,D)は14点,Anxiety(以下,A)は,11点で抑うつ,不安症状と持久力,バランス能力の低下が認められた。LCIG導入と並行してPTでは今後の活動目標を共有し,必要な課題練習と持久力向上,バランス練習を実施した。導入から4ヶ月後,日中Off時間は無くなった。HADSはDが6点,Aは3点に改善し,持久力の向上,バランス能力が向上した。設定した活動目標は達成され,毎日の外出が習慣化した。LCIG導入症例に対するPTは,導入前評価の問題点に対する介入に加えて,導入後の活動目標を共有し,必要な課題練習を行なう事が重要と考える。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.69.148