循環虚脱をきたした肺塞栓症2症例

致死的重症肺塞栓症は急激に発症し, 心肺停止状態に陥った場合の蘇生は困難なことが多い。通常の心肺蘇生法とともに, PCPSなどの補助循環装置を用いて回復した例が報告されているが, それらを用いない通常の処置だけでの蘇生は容易ではない。今回, 心停止にいたった重症肺塞栓症2例を経験した。血管造影検査後, 翌日に生じた1例と, 開腹術後4日目, 歩行開始3日目に生じた1例に通常の心肺蘇生処置を行い共に循環が回復したが, 血栓溶解療法として遺伝子組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子 (tPA, モンテプラーゼ) が使用できた症例で脳障害をきたさず回復したので報告する。...

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Bibliographic Details
Published in蘇生 Vol. 27; no. 1; pp. 67 - 69
Main Author 斎藤, 重行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 2008
The Japanese Society of Reanimatology
Subjects
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ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology1983.27.67

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Summary:致死的重症肺塞栓症は急激に発症し, 心肺停止状態に陥った場合の蘇生は困難なことが多い。通常の心肺蘇生法とともに, PCPSなどの補助循環装置を用いて回復した例が報告されているが, それらを用いない通常の処置だけでの蘇生は容易ではない。今回, 心停止にいたった重症肺塞栓症2例を経験した。血管造影検査後, 翌日に生じた1例と, 開腹術後4日目, 歩行開始3日目に生じた1例に通常の心肺蘇生処置を行い共に循環が回復したが, 血栓溶解療法として遺伝子組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子 (tPA, モンテプラーゼ) が使用できた症例で脳障害をきたさず回復したので報告する。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology1983.27.67