右B8aの分布領域がS*を占める肺腺癌に対して同区域とS6区域切除を施行した1例

背景.2 cm以下の早期肺癌に対する区域切除のエビデンスが集積されてきた.症例.76歳,男性.右下葉の16 mmのすりガラス陰影に対して,CTガイド下肺生検にて肺腺癌の診断を得た.術前のSYNAPSE VINCENT™によるCT画像解析では陰影はB8aから分岐する分岐異常気管支がS*領域に存在し,S*にはA9+10から分岐があることが判明した.Virtual assisted lung mapping(VAL-MAP)を行い,すりガラス陰影の位置及び切除ラインの設定を行った.手術はA6とA9+10から分岐した2本のA*,B6とB8aから分岐した分岐異常気管支を切離して,S6+S*区域切除を行っ...

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Published in気管支学 Vol. 45; no. 6; pp. 431 - 435
Main Authors 五明田, 匡, 小阪, 真二, 磯和, 理貴, 阪本, 仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2023
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.45.6_431

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Summary:背景.2 cm以下の早期肺癌に対する区域切除のエビデンスが集積されてきた.症例.76歳,男性.右下葉の16 mmのすりガラス陰影に対して,CTガイド下肺生検にて肺腺癌の診断を得た.術前のSYNAPSE VINCENT™によるCT画像解析では陰影はB8aから分岐する分岐異常気管支がS*領域に存在し,S*にはA9+10から分岐があることが判明した.Virtual assisted lung mapping(VAL-MAP)を行い,すりガラス陰影の位置及び切除ラインの設定を行った.手術はA6とA9+10から分岐した2本のA*,B6とB8aから分岐した分岐異常気管支を切離して,S6+S*区域切除を行った.病理病期はpT1miN0M0,IA1期であった.結語.近年,肺癌に対する区域切除の必要性が増加しており,本症例のようにS*に存在する肺癌に対する区域切除を行う機会があると考える.そのため,術前の気管支及び肺血管の慎重な読影がより必要になってきている.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.45.6_431