重心動揺計による動的平衡機能検査の試み (Foulage test) —めまい患者における検討
[緒言] めまい患者のさまざまな愁訴のうち, 静止時よりも体動時にめまい感が誘発, あるいは増強する例は少なくない. 同様に, 静止立位時には自覚されなかった平衡障害が, 歩行などの動きにともなって惹起されることも稀ではない. めまいの診療においては, 静的平衡機能検査1)だけではなく, 動的平衡機能検査も行うことで, 患者の愁訴を反映した平衡障害の程度をより的確に評価することができる. 我々は, 現在既に普及している重心動揺計を用い, 開眼・閉眼で動揺を定量化可能な動的平衡機能検査, Foulage test (フーラージュテスト)の開発を試み, 健常者による検討を報告した2). 今回我々は...
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Published in | Equilibrium Research Vol. 72; no. 1; pp. 22 - 29 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2013
日本めまい平衡医学会 |
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ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.72.22 |
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Summary: | [緒言] めまい患者のさまざまな愁訴のうち, 静止時よりも体動時にめまい感が誘発, あるいは増強する例は少なくない. 同様に, 静止立位時には自覚されなかった平衡障害が, 歩行などの動きにともなって惹起されることも稀ではない. めまいの診療においては, 静的平衡機能検査1)だけではなく, 動的平衡機能検査も行うことで, 患者の愁訴を反映した平衡障害の程度をより的確に評価することができる. 我々は, 現在既に普及している重心動揺計を用い, 開眼・閉眼で動揺を定量化可能な動的平衡機能検査, Foulage test (フーラージュテスト)の開発を試み, 健常者による検討を報告した2). 今回我々は, 同検査をめまい・平衡障害患者に施行し, 実際に動揺を定量化可能であるか, 年齢, 性別, 体格が検査に影響するのかを検証した. [対象と方法] 対象 めまいを主訴にやすだ耳鼻いんこう科クリニック(東京都葛飾区)を受診した246人を対象とした. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.72.22 |