オンチップ電気泳動システムによるRNAの品質評価の検討

RNAの分解は,臨床検体の遺伝子発現の分析を行うにあたって,重要な問題である.とくに,RNAの十分な品質は,定量PCRやマイクロアレイ解析のようなmRNA測定の精度を決定する重要な因子である.RNAサンプルのRNA収量と品質を評価し,マイクロチップ電気泳動システムによるRNA Integrity Number(RIN)を得た.冷凍保存したRNAと培養細胞から抽出したRNAの全サンプルは,9.8以上のRINを示し,アガロース電気泳動においても高分子量であった.また,RINは,凍結融解の繰り返しによる影響を受けなかった.したがって,これらの結果は,RINが保存中のRNAの品質を適切に評価しうる指標...

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Published in生物物理化学 Vol. 55; no. 1; pp. 1 - 4
Main Authors 舩渡, 忠男, 岩谷, 良則, 竹田, 真由, 藤巻, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 2011
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ISSN0031-9082
1349-9785
DOI10.2198/sbk.55.1

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Summary:RNAの分解は,臨床検体の遺伝子発現の分析を行うにあたって,重要な問題である.とくに,RNAの十分な品質は,定量PCRやマイクロアレイ解析のようなmRNA測定の精度を決定する重要な因子である.RNAサンプルのRNA収量と品質を評価し,マイクロチップ電気泳動システムによるRNA Integrity Number(RIN)を得た.冷凍保存したRNAと培養細胞から抽出したRNAの全サンプルは,9.8以上のRINを示し,アガロース電気泳動においても高分子量であった.また,RINは,凍結融解の繰り返しによる影響を受けなかった.したがって,これらの結果は,RINが保存中のRNAの品質を適切に評価しうる指標であることを示唆している.
ISSN:0031-9082
1349-9785
DOI:10.2198/sbk.55.1