脳血行再建術における血行力学的脳虚血の定量的重症度評価
虚血性脳血管障害の外科治療のうち, 脳虚血に対する血行再建術の適応と有効性に関しては, これまでにも脳循環動態の指標を用いたさまざまな検討が行われてきた. 特に脳血流SPECTを用いた検討では, これまで定性的評価が一般的であったため, その診断精度にはおのずと限界があった12). しかし, 脳血流SPECTの技術的改良により, 測定精度の改善と定量評価方法の確立がもたらされ, 現在ではPETに近い診断も可能となってきている13). そこで, 本稿では, 虚血性脳血管障害のなかでも頭蓋内頭蓋外の血管吻合術(EC-IC Bypass)の有効性が期待される病態として, アテローム血栓性脳梗塞におけ...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 30; no. 1; pp. 7 - 14 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2002
日本脳卒中の外科学会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.30.7 |
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Summary: | 虚血性脳血管障害の外科治療のうち, 脳虚血に対する血行再建術の適応と有効性に関しては, これまでにも脳循環動態の指標を用いたさまざまな検討が行われてきた. 特に脳血流SPECTを用いた検討では, これまで定性的評価が一般的であったため, その診断精度にはおのずと限界があった12). しかし, 脳血流SPECTの技術的改良により, 測定精度の改善と定量評価方法の確立がもたらされ, 現在ではPETに近い診断も可能となってきている13). そこで, 本稿では, 虚血性脳血管障害のなかでも頭蓋内頭蓋外の血管吻合術(EC-IC Bypass)の有効性が期待される病態として, アテローム血栓性脳梗塞における血行力学的脳虚血, 特にmisery perfusion2)に焦点をあてて, 脳血流SPECTによる血行力学的脳虚血の定量的重症度評価の臨床的意義と, 定量的重症度評価に基づく脳血行再建術の適応と効果についてあらためて考察する. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.30.7 |