通常学級に在籍する慢性疾患児における学校適応感とライフスキルとの関連

「I. 緒言」 現在, 厚生労働省による小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患として, 悪性新生物, 内分泌疾患, 慢性腎疾患, 慢性心疾患, 糖尿病などの14疾患群, 704疾患が指定されており, 平成25年度の登録患者数は11万人を超えている. また, 小児慢性特定疾患の患者のうち, 約85%の児童・生徒が地域の小・中学校に通学していると報告されており, 慢性疾患を持つ児童(疾患児)の多くは, 普通学校の通常学級に在籍して学校生活を送っている. 疾患児は, 長期にわたって治療や療養を続けながらの生活が必要となるが, 小学校就学以降, 家庭外での生活が多くなる中で療養行動の主体も徐々に家族か...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 71; no. 3; pp. 216 - 226
Main Authors 青地, 由梨奈, 宮井, 信行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2016
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.71.216

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Summary:「I. 緒言」 現在, 厚生労働省による小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患として, 悪性新生物, 内分泌疾患, 慢性腎疾患, 慢性心疾患, 糖尿病などの14疾患群, 704疾患が指定されており, 平成25年度の登録患者数は11万人を超えている. また, 小児慢性特定疾患の患者のうち, 約85%の児童・生徒が地域の小・中学校に通学していると報告されており, 慢性疾患を持つ児童(疾患児)の多くは, 普通学校の通常学級に在籍して学校生活を送っている. 疾患児は, 長期にわたって治療や療養を続けながらの生活が必要となるが, 小学校就学以降, 家庭外での生活が多くなる中で療養行動の主体も徐々に家族から本人へと移行していくことになる. 学校においても, 疾患や症状に応じて注射や薬の投与, 発作などの緊急時の対応を行うことがあり, これらを支障なく実践するためには, 養護教諭や担任からの支援を受けながらも, 自らが積極的に自己管理できる能力を身に付けることが重要である.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.71.216