好酸球性副鼻腔炎に対する手術成績と再発例の検討

好酸球性副鼻腔炎 (ECRS) は鼻閉と鼻汁, 嗅覚障害を主とする難治性の疾患であり, 内視鏡下副鼻腔手術 (ESS) を施行しても易再発性であることが知られている. 今回, JESREC study による診断基準が確立された2015年以降に当院で初回手術を施行した好酸球性副鼻腔炎114症例の術後成績を, 良好群, やや良好群, 再発群に分類し,再発に関与する因子を検討し, 3群間での自覚症状, QOL の変化を評価した. 術後1年以上, 平均38カ月観察した結果, 良好40%, やや良好27%, 再発32%であった. 全ての群において自覚症状, QOL は術前に比し有意に改善を認めたが,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 125; no. 11; pp. 1578 - 1585
Main Authors 馬場, 奬, 川村, 繁樹, 河本, 光平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.11.2022
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1578

Cover

More Information
Summary:好酸球性副鼻腔炎 (ECRS) は鼻閉と鼻汁, 嗅覚障害を主とする難治性の疾患であり, 内視鏡下副鼻腔手術 (ESS) を施行しても易再発性であることが知られている. 今回, JESREC study による診断基準が確立された2015年以降に当院で初回手術を施行した好酸球性副鼻腔炎114症例の術後成績を, 良好群, やや良好群, 再発群に分類し,再発に関与する因子を検討し, 3群間での自覚症状, QOL の変化を評価した. 術後1年以上, 平均38カ月観察した結果, 良好40%, やや良好27%, 再発32%であった. 全ての群において自覚症状, QOL は術前に比し有意に改善を認めたが, 嗅覚障害の改善率のみが再発群では良好群より低かった. 再発群でもポリープスコアが小さい症例は術後保存的治療でコントロールが可能であり, ポリープスコアが高く鼻閉や嗅覚障害も強い症例が再手術や生物学的製剤の適応となり, その割合は全体の1割以下であった.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1578