ステロイドとメトトレキサート併用中の関節リウマチに呼吸不全を伴って発症したサルコイドーシスの1例

背景.関節リウマチにサルコイドーシスを合併することがあると報告されるが,関節リウマチに対するステロイドとメトトレキサートの併用中にサルコイドーシスを発症することは稀である.症例.74歳女性.40歳時に関節リウマチの診断となり,ステロイドとメトトレキサートの併用がなされていた.胸部X線で異常影を認め,当科を受診した.胸部CT検査でびまん性の粒状影や縦隔・肺門リンパ節の多数の腫大を認め,呼吸状態の悪化から入院となり,気管支鏡検査で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めたことからサルコイドーシスと診断した.高用量ステロイド療法を開始したところ,呼吸状態と画像所見の改善を認めた.結論.関節リウマチをステロイド...

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Published in気管支学 Vol. 45; no. 1; pp. 49 - 54
Main Authors 西村, 倫太郎, 笠原, 靖紀, 北原, 慎介, 江間, 亮吾, 伊狩, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.01.2023
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.45.1_49

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Summary:背景.関節リウマチにサルコイドーシスを合併することがあると報告されるが,関節リウマチに対するステロイドとメトトレキサートの併用中にサルコイドーシスを発症することは稀である.症例.74歳女性.40歳時に関節リウマチの診断となり,ステロイドとメトトレキサートの併用がなされていた.胸部X線で異常影を認め,当科を受診した.胸部CT検査でびまん性の粒状影や縦隔・肺門リンパ節の多数の腫大を認め,呼吸状態の悪化から入院となり,気管支鏡検査で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めたことからサルコイドーシスと診断した.高用量ステロイド療法を開始したところ,呼吸状態と画像所見の改善を認めた.結論.関節リウマチをステロイドとメトトレキサートで治療中に呼吸不全を来して診断したサルコイドーシスの1例を経験した.関節リウマチの治療中でもサルコイドーシスの発症とそれに伴う呼吸不全に注意が必要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.45.1_49