非結核性抗酸菌症に伴った気管支結石の1例
背景.気管支結石は気管支腔内に存在する石灰化または骨化物と定義され,稀な疾患である.主な原因疾患として結核が知られるが,非結核性抗酸菌症に伴った気管支結石の報告は少ない.症例. 77歳,女性.検診にて胸部異常陰影を指摘され,当科へ紹介入院となった.胸部CT上,左肺S6に粒状濃度上昇と気管支拡張所見を認め,気管支内腔に石灰化病変を認めた.気管支鏡検査では,左B6bに硬い黄褐色物質が嵌頓しており,可動性良好のため気管支内視鏡的に摘出した.病理組織所見では,石灰化とその周囲に好酸性無構造の滲出物を認め,多量の抗酸菌が検出された.培養検査にてMycobacterium intracellulareと判...
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| Published in | 気管支学 Vol. 43; no. 1; pp. 38 - 42 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
25.01.2021
日本呼吸器内視鏡学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.43.1_38 |
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| Summary: | 背景.気管支結石は気管支腔内に存在する石灰化または骨化物と定義され,稀な疾患である.主な原因疾患として結核が知られるが,非結核性抗酸菌症に伴った気管支結石の報告は少ない.症例. 77歳,女性.検診にて胸部異常陰影を指摘され,当科へ紹介入院となった.胸部CT上,左肺S6に粒状濃度上昇と気管支拡張所見を認め,気管支内腔に石灰化病変を認めた.気管支鏡検査では,左B6bに硬い黄褐色物質が嵌頓しており,可動性良好のため気管支内視鏡的に摘出した.病理組織所見では,石灰化とその周囲に好酸性無構造の滲出物を認め,多量の抗酸菌が検出された.培養検査にてMycobacterium intracellulareと判明し,その他の病原体は検出されなかった.以上より,気管支結石および非結核性抗酸菌症と診断し,関連が示唆された.結語.非結核性抗酸菌症に伴う気管支結石の1例を経験した.無症状であったが,気管支内視鏡的に診断し,安全に摘除された. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.43.1_38 |