唾液中ヘルペスウイルス DNA 測定によるメニエール病発作期の肉体的疲労測定の試み

• Published in: Equilibrium Research Vol. 74; no. 1; pp. 8 - 14
• Main Authors: 岡本, 彩子, 高橋, 克昌, 紫野, 正人, 岡宮, 智史, 新國, 摂, 近松, 一朗, 高安, 幸弘
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2015; 日本めまい平衡医学会
• ISSN: 0385-5716; 1882-577X
• DOI: 10.3757/jser.74.8

「はじめに」ストレス回避のための精神的サポートや有酸素運動は, メニエール病に有効である. しかし, 医師が「ストレスはありますか? 」と尋ねると, 「悩みはありません」と答える患者が多い. このように, ストレスとは人間関係の軋轢による精神的ストレスと考えられがちであるが, 長時間残業や過重労働などの身体的ストレスも含まれる. 精神的ストレスは質問紙票で評価できるが, 身体的ストレスは客観的な評価ができなかった. 身体的ストレスが続くと, 医学的な症状としての肉体的疲労が表れる. ストレスと疲労は, しばしば混同される用語であるが, 両者は異なり, 「身体的ストレス」状態が蓄積して現れる症状が「肉体的疲労」である. 近年, 唾液中のヘルペスウイルスDNAを測定することによって, 肉体的疲労の評価が可能になった. 近藤は, 疲れると唇にヘルペス疹が現れる現象に着目し, 肉体的疲労時には唾液中のヘルペスウイルスDNAが増加し, 休息後は減少することを明らかにした.