コクラン:医療と研究における意思決定と患者一般参画

1992年に設立され,系統的レビューの手法を確立したコクランは,現在130か国・地域を超える3万7,000人の人々が協力して,手軽に無料で入手できる信頼性の高い医療情報を提供している。設立当初から,研究や診療の意思決定に医療消費者(患者)の参加を真摯に取り組んできた。医療消費者はコクランの系統的レビューの査読を行い,設定したゴールが適切か,コクランのメッセージがわかりやすいかなどに重点をおいてチェックする。完成したコクランレビューには抄録のほか一般語訳が必ず付けられ,いくつかの国・地域では,研究教育機関だけではなく,市民に広く公開されている。研究や診療政策現場における医療消費者参加の現況を踏ま...

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Published inJournal of information processing and management Vol. 60; no. 12; pp. 855 - 864
Main Author 森, 臨太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 国立研究開発法人 科学技術振興機構 01.01.2018
Japan Science and Technology Agency
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ISSN0021-7298
1347-1597
DOI10.1241/johokanri.60.855

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Summary:1992年に設立され,系統的レビューの手法を確立したコクランは,現在130か国・地域を超える3万7,000人の人々が協力して,手軽に無料で入手できる信頼性の高い医療情報を提供している。設立当初から,研究や診療の意思決定に医療消費者(患者)の参加を真摯に取り組んできた。医療消費者はコクランの系統的レビューの査読を行い,設定したゴールが適切か,コクランのメッセージがわかりやすいかなどに重点をおいてチェックする。完成したコクランレビューには抄録のほか一般語訳が必ず付けられ,いくつかの国・地域では,研究教育機関だけではなく,市民に広く公開されている。研究や診療政策現場における医療消費者参加の現況を踏まえ,今後,医療消費者が「どのように参加するか」が重要になると考えられる。
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:0021-7298
1347-1597
DOI:10.1241/johokanri.60.855