重心動揺計を用いた姿勢安定度評価指標の信頼性および妥当性
本研究では重心動揺系を用いた立位姿勢の安定度評価指標を考案し,その再現性と妥当性について検討することを目的とした。対象は健常者19名と,高齢および種々の疾患によりバランス能力低下を示す者21名の計40名とした。姿勢安定度評価指標は立位姿勢保持の安定性に関する確率的な考察から,log [(安定域面積 + 重心動揺面積)/重心動揺面積] で定義した。測定足位は足底内側を10cm離した開脚立位とし,支持基底面の中央付近の最も安定した位置,及び前方,後方,右方,左方へ重心移動した位置で10秒間の足圧中心を測定した。重心動揺面積は各測定位置における矩形動揺面積の平均値とした。安定域面積は前方,後方,右方...
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Published in | 理学療法学 Vol. 27; no. 6; pp. 199 - 203 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
30.09.2000
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00003131679 |
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Summary: | 本研究では重心動揺系を用いた立位姿勢の安定度評価指標を考案し,その再現性と妥当性について検討することを目的とした。対象は健常者19名と,高齢および種々の疾患によりバランス能力低下を示す者21名の計40名とした。姿勢安定度評価指標は立位姿勢保持の安定性に関する確率的な考察から,log [(安定域面積 + 重心動揺面積)/重心動揺面積] で定義した。測定足位は足底内側を10cm離した開脚立位とし,支持基底面の中央付近の最も安定した位置,及び前方,後方,右方,左方へ重心移動した位置で10秒間の足圧中心を測定した。重心動揺面積は各測定位置における矩形動揺面積の平均値とした。安定域面積は前方,後方,右方,左方の動揺中心の前後径と左右径を乗じた矩形面積とした。信頼性は同一被験者に日時を変えて姿勢安定度評価指標の測定を2回行い,再現性を級内相関係数を用いて評価した。妥当性はBergによるバランス評価法との対応をスピアマンの順位相関係数を用いて検討した。その結果,級内相関係数0.999,スピアマンの順位相関係数rs = 0.855の強い相関が得られ,今回考案した評価指標の信頼性および妥当性が確認できた。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00003131679 |