当院におけるCAR-T療法導入を契機とした輸血・細胞治療向け品質管理体制の構築

「はじめに」 我が国におけるキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法は, 2019年に初めてキムリア(R)点滴静注(一般名チサゲンレクルユーセル)が承認され, 2021年には2製品(イエスカルタ(R)点滴静注:一般名アキシカブタゲンシロルユーセル, ブレヤンジ(R)静注:一般名リソカブタゲンマラルユーセル)が承認されるに至っており, 今後CAR-T細胞療法の導入を目指す医療機関が増加すると思われる. CAR-T細胞療法は新しい作用機序を有する再生医療等製品であり, その適正使用を目的に厚生労働省から最適使用推進ガイドラインが発出されている. 先に承認されたキムリア(R)の場合, 院内での白血球...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 68; no. 1; pp. 17 - 22
Main Authors 池本, 純子, 村田, 理恵, 大塚, 真哉, 日笠, 聡, 杉山, 寛貴, 奥田, 典子, 原田, 由紀, 吉原, 哲, 浜田, 彰子, 山原, 研一, 小野本, 仁美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 25.02.2022
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.68.17

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Summary:「はじめに」 我が国におけるキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法は, 2019年に初めてキムリア(R)点滴静注(一般名チサゲンレクルユーセル)が承認され, 2021年には2製品(イエスカルタ(R)点滴静注:一般名アキシカブタゲンシロルユーセル, ブレヤンジ(R)静注:一般名リソカブタゲンマラルユーセル)が承認されるに至っており, 今後CAR-T細胞療法の導入を目指す医療機関が増加すると思われる. CAR-T細胞療法は新しい作用機序を有する再生医療等製品であり, その適正使用を目的に厚生労働省から最適使用推進ガイドラインが発出されている. 先に承認されたキムリア(R)の場合, 院内での白血球アフェレーシスのみならず, 細胞調製や検査が必要であることから, 同ガイドラインにおいて施設要件として, 設備・機器・手順書・医療スタッフの整備の必要性が記載されている. しかしながら, 最適使用推進ガイドラインは, あくまで製品の使用に重きをおいた記載であり, 実際にCAR-T細胞療法のような再生医療等製品を扱う場合, 医療機関において原料である細胞の採取, 調製, 検査, 保管を要することから, 製造工程の一部を行うことになり, 結果, 医療機関側にもGMP(Good Manufacturing Practice:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)・GCTP(Good Gene, Cellular, and Tissue-based Products Manufacturing Practice:再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準)に準じた品質管理体制の構築が求められる.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.68.17