遠隔モニタリングシステムにおけるNon-Sustained Ventricular Tachycardiaアラートのピットフォール:Sustained VTをNon-sustained VTと誤診断し,抗頻拍ペーシング治療にいたらなかった3例の検討
遠隔モニタリングシステム(remote monitoring system:RMS)は,早期の不整脈検出や治療確認が可能であり,生命予後を改善させることから,デバイス患者の標準的な管理手法として導入が推奨されている.今回われわれは,心室頻拍ゾーン(ventricular tachycardia zone:VTZ)付近の頻拍周期をもつ持続性心室頻拍(sustained ventricular tachycardia:Sustained VT)を非持続性心室頻拍(non-sustained ventricular tachycardia:NSVT)と誤認識し,抗頻拍ペーシングに至らなかった3症例を...
Saved in:
Published in | 心電図 Vol. 43; no. 2; pp. 106 - 115 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
07.07.2023
日本不整脈心電学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.43.106 |
Cover
Summary: | 遠隔モニタリングシステム(remote monitoring system:RMS)は,早期の不整脈検出や治療確認が可能であり,生命予後を改善させることから,デバイス患者の標準的な管理手法として導入が推奨されている.今回われわれは,心室頻拍ゾーン(ventricular tachycardia zone:VTZ)付近の頻拍周期をもつ持続性心室頻拍(sustained ventricular tachycardia:Sustained VT)を非持続性心室頻拍(non-sustained ventricular tachycardia:NSVT)と誤認識し,抗頻拍ペーシングに至らなかった3症例を経験したので報告する.いずれの症例もNSVTとしてRMSのアラートが届いたが,心内心電図波形を評価すると,VTZ近傍の変動する心室頻拍周期で,VTZを脱した心拍の影響によりSustained VTの基準を満たさず,NSVTと診断され,抗頻拍治療に至らなかったと診断した.RMSで送信された心内心電図を直接確認し,早期にVTZの再調整を行うことができた.今後,RMSの有用性を向上させ,治療遅延を防ぐためには,デバイスによる診断アルゴリズムの理解ならびに,心内心電図の丁寧な確認が重要である. |
---|---|
ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.43.106 |