大型ICA paraclinoid動脈瘤のクリッピング術とピットフォール

「はじめに」内頚動脈 (internal carotid artery : ICA) paraclinoid動脈瘤に対する主たる治療法には開頭クリッピング術と血管内治療 (interventional radiology : IVR) があるが, 治療結果や合併症率に関しては差がないとする報告が多い. 未破裂paraclinoid瘤に対する開頭群 (691例) とIVR群 (1,013例) のメタアナリシスによれば, 正常視力が悪化する率は開頭群10.8%でIVR 2.0%とIVRに分がある一方, 低下している視力が改善する率は開頭群のほうが良好である. クリッピング・コイル塞栓・フローダイバ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 48; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 池田, 哲也, 佐瀬, 泰玄, 田中, 雄一郎, 久代, 裕一郎, 大塩, 恒太郎, 伊藤, 英道, 川口, 公悠樹, 梶, 友紘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.48.1

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Summary:「はじめに」内頚動脈 (internal carotid artery : ICA) paraclinoid動脈瘤に対する主たる治療法には開頭クリッピング術と血管内治療 (interventional radiology : IVR) があるが, 治療結果や合併症率に関しては差がないとする報告が多い. 未破裂paraclinoid瘤に対する開頭群 (691例) とIVR群 (1,013例) のメタアナリシスによれば, 正常視力が悪化する率は開頭群10.8%でIVR 2.0%とIVRに分がある一方, 低下している視力が改善する率は開頭群のほうが良好である. クリッピング・コイル塞栓・フローダイバーター (FD) 3者のメタアナリシスでは, 治療後の視機能に有意差はなかったもののFD群で良好との傾向がある一方, 術後の視機能悪化に3者間の差はない. 今後, この部位の瘤の治療にはFDの適用が増加すると予測されるが, 現時点ではクリッピング術を要する機会も少なからず存在する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.1