生体内で働く分子ロボットの実現へ:情報媒体としてのDNA分子とDNAコンピューティング
本稿では,近年,研究が発展している「分子ロボティクス(分子ロボット工学)」について,基礎から最新の動向まで解説する。分子ロボットは,情報分子DNAを利用したナノテクノロジーであるDNAコンピューター・DNAメモリー・DNAナノ構造形成等の生体分子情報技術を基礎にしており,生体内での計算や,診断・治療,人工細胞構築,大容量分子メモリー,脳型コンピューター開発などへの応用が期待されている。DNAにあまり触れたことのない読者を想定し,本分野を理解するために必要なDNAナノテクノロジーやDNAの塩基配列設計の基礎を簡潔に説明した後,最近の注目研究の動向に加え,われわれの研究グループが近年研究を進めてい...
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| Published in | Journal of information processing and management Vol. 60; no. 9; pp. 629 - 640 |
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
Tokyo
国立研究開発法人 科学技術振興機構
01.01.2017
Japan Science and Technology Agency |
| Subjects | |
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| ISSN | 0021-7298 1347-1597 |
| DOI | 10.1241/johokanri.60.629 |
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| Summary: | 本稿では,近年,研究が発展している「分子ロボティクス(分子ロボット工学)」について,基礎から最新の動向まで解説する。分子ロボットは,情報分子DNAを利用したナノテクノロジーであるDNAコンピューター・DNAメモリー・DNAナノ構造形成等の生体分子情報技術を基礎にしており,生体内での計算や,診断・治療,人工細胞構築,大容量分子メモリー,脳型コンピューター開発などへの応用が期待されている。DNAにあまり触れたことのない読者を想定し,本分野を理解するために必要なDNAナノテクノロジーやDNAの塩基配列設計の基礎を簡潔に説明した後,最近の注目研究の動向に加え,われわれの研究グループが近年研究を進めている,DNA分子とマイクロ水滴を利用した,細胞型分子ロボット(人工細胞)の構築を詳しく解説する。 |
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| Bibliography: | ObjectType-Article-1 SourceType-Scholarly Journals-1 ObjectType-Feature-2 content type line 14 |
| ISSN: | 0021-7298 1347-1597 |
| DOI: | 10.1241/johokanri.60.629 |