水中トレッドミル歩行における高齢者の呼吸循環応答

健常な女性高齢者14名を対象に(平均62.9歳)水中トレッドミル歩行時における水位の差異が呼吸循環器系に及ぼす影響について陸上トレッドミル歩行と比較検討した。方法は同一被検者が時速2.5kmの一定運動負荷で,水温33℃,水位を臍部(臍群)及び剣状突起部(剣状突起群)に設定した水中トレッドミル歩行と陸上トレッドミル歩行(陸上群)の3種類を各10分間ランダムに施工した。その結果,心拍数は3群全て最大心拍数の60%,自覚的運動強度は11点に位置し,3群間に有意な差は認められなかった。酸素摂取量は剣状突起群が陸上群と臍群に対して有意に低かった(p < 0.05)。運動前後の血圧の比較は,剣状突起...

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Published in理学療法学 Vol. 26; no. 4; pp. 158 - 162
Main Authors 前野, 里恵, 栗山, 信江, 藤谷, 尚子, 水落, 和也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 31.05.1999
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001308159

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Summary:健常な女性高齢者14名を対象に(平均62.9歳)水中トレッドミル歩行時における水位の差異が呼吸循環器系に及ぼす影響について陸上トレッドミル歩行と比較検討した。方法は同一被検者が時速2.5kmの一定運動負荷で,水温33℃,水位を臍部(臍群)及び剣状突起部(剣状突起群)に設定した水中トレッドミル歩行と陸上トレッドミル歩行(陸上群)の3種類を各10分間ランダムに施工した。その結果,心拍数は3群全て最大心拍数の60%,自覚的運動強度は11点に位置し,3群間に有意な差は認められなかった。酸素摂取量は剣状突起群が陸上群と臍群に対して有意に低かった(p < 0.05)。運動前後の血圧の比較は,剣状突起群の収縮期血圧だけ有意に高かった(p < 0.05)。高齢者の剣状突起に設定した水中トレッドミル歩行は,他2群と比較して浮力が運動エネルギーに効率的な作用をするため,運動強度は軽度であることが判明した。さらに,運動強度の設定は,心拍数より酸素摂取量で判断する方が望ましいと考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001308159