シャトルウォーキングテストによる最高酸素摂取量推定は高齢慢性閉塞性肺疾患患者に適用可能か

【目的】漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT)は,Singhの予測式により最高酸素摂取量(peakV̇O2)が推定されている。しかし,Singhの予測式は中高年者の西洋人をもとに作成されており,本邦における高齢COPD患者への適用に関する検証がなされていない。そこで本研究では,Singhらの予測式によるpeakV̇O2推定(予測peakV̇O2)が,高齢COPD患者において適用可能か否か検討することを目的とした。【方法】下肢骨関節障害がなく症状の安定しているCOPD患者20名を対象にISWTを実施し,携帯型呼気ガス分析計を用いてpeakV̇O2(実測peakV̇O2)を測定した。実測pea...

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Published in理学療法学 Vol. 36; no. 7; pp. 377 - 381
Main Authors 関川, 清一, 高橋, 真, 藤井, 和代, 関川, 則子, 田平, 一行, 稲水, 惇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2009
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00005931387

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Summary:【目的】漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT)は,Singhの予測式により最高酸素摂取量(peakV̇O2)が推定されている。しかし,Singhの予測式は中高年者の西洋人をもとに作成されており,本邦における高齢COPD患者への適用に関する検証がなされていない。そこで本研究では,Singhらの予測式によるpeakV̇O2推定(予測peakV̇O2)が,高齢COPD患者において適用可能か否か検討することを目的とした。【方法】下肢骨関節障害がなく症状の安定しているCOPD患者20名を対象にISWTを実施し,携帯型呼気ガス分析計を用いてpeakV̇O2(実測peakV̇O2)を測定した。実測peakV̇O2と予測peakV̇O2の比較を共分散分析を用いて検討した。この場合,Singhらの報告および乱数表にて測定誤差を算出し,測定誤差を加算した予測peakV̇O2を用いて,統計処理を100回実施した。【結果】解析しえた99回の共分散分析の結果,2回のみ有意差を認め(p = 0.025,0.045),97回の解析において有意差を認めず,実測peakV̇O2と予測peakV̇O2が統計学上ほぼ一致した。【結論】Singh予測式から推定するpeakV̇O2は,本対象高齢COPD患者においても適用可能であることが示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00005931387