次世代人工知能へのアプローチ：シリコン神経ネットワーク

• Published in: Journal of information processing and management Vol. 60; no. 7; pp. 461 - 470
• Main Author: 河野, 崇
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: Tokyo 国立研究開発法人 科学技術振興機構 01.01.2017; Japan Science and Technology Agency
• Subjects: Artificial intelligence; Circuits; Computer simulation; Data processing; Electronic circuits; Nervous system; Neural networks; Power consumption; Silicon; シリコン神経ネットワーク; ニューロミメティックシステム; ニューロモルフィックシステム; 人工ニューラルネットワーク; 人工知能; 定性的神経モデル; 脳神経系; 電子回路
• ISSN: 0021-7298; 1347-1597
• DOI: 10.1241/johokanri.60.461

シリコン神経ネットワークは，神経細胞に対応するシリコンニューロン回路，シナプスに対応するシリコンシナプス回路を組み合わせることによって作られた電子回路版神経ネットワークである。脳神経系の電気生理学的活動をリアルタイムあるいはそれ以上の速度で模倣することにより，超低消費電力や少ないデータからの学習など脳神経系のもつ優れた特性を受け継ぐことができると期待されている。しかし，神経ネットワークにおける情報処理の原理が完全に解明されておらず，脳神経系に匹敵するシステムの実現のために，シリコン神経ネットワークの研究者も「構築による解析」の立場からこの問題に寄与することが求められている。このため，現代のシリコン神経ネットワークにおいてはモデルの設計方法がより重要であり，いくつかのアプローチが存在するが，それらについて簡単に解説する。