輪状甲状靭帯穿刺により救命できた 軽微な顔面外傷による後咽頭間隙血腫の一例

後咽頭間隙血腫は上気道閉塞を併発することがある。今回我々は,軽微な顔面外傷後に後咽頭間隙血腫を生じ,上気道閉塞来した症例を経験したので報告する。症例は68歳男性。自宅で転倒し顔面打撲。口唇挫創からの出血が持続するため当院へ搬送。外来での止血処置後より,呼吸苦および急激な酸素化の悪化を認めた。挿管困難なため,輪状甲状靭帯穿刺による気道確保を行った。来院時CTにて後咽頭間隙血腫と診断。第5病日CTで血腫縮小を認め,第8病日抜管。呼吸状態悪化なく,第14病日退院となった。後咽頭間隙血腫による上気道閉塞に対する気道確保法において,挿管困難例では,輪状甲状靭帯穿刺を考慮すべきである。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in蘇生 Vol. 35; no. 1; pp. 14 - 17
Main Authors 伊佐, 泰樹, 善家, 雄吉, 相原, 啓二, 蒲地, 正幸, 内田, 貴之, 長田, 圭司, 二瓶, 俊一, 原山, 信也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 01.04.2016
The Japanese Society of Reanimatology
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0288-4348
1884-748X
DOI10.11414/jjreanimatology.35.1_14

Cover

More Information
Summary:後咽頭間隙血腫は上気道閉塞を併発することがある。今回我々は,軽微な顔面外傷後に後咽頭間隙血腫を生じ,上気道閉塞来した症例を経験したので報告する。症例は68歳男性。自宅で転倒し顔面打撲。口唇挫創からの出血が持続するため当院へ搬送。外来での止血処置後より,呼吸苦および急激な酸素化の悪化を認めた。挿管困難なため,輪状甲状靭帯穿刺による気道確保を行った。来院時CTにて後咽頭間隙血腫と診断。第5病日CTで血腫縮小を認め,第8病日抜管。呼吸状態悪化なく,第14病日退院となった。後咽頭間隙血腫による上気道閉塞に対する気道確保法において,挿管困難例では,輪状甲状靭帯穿刺を考慮すべきである。
ISSN:0288-4348
1884-748X
DOI:10.11414/jjreanimatology.35.1_14