運動習慣が急性ストレスに対する遂行機能および主観的・生理的ストレス受容度に及ぼす影響

「1. 緒言」現代はストレスの時代と言われており, 平成25年の厚生労働省国民生活基礎調査では, 48%の人が日常生活でのストレスを感じていることが報告されている. 20代の青年期においてストレスや悩みを抱える者の割合が多く, 女性で50%以上, 男性で40%以上に上る. ストレスの受容は, 認知機能を阻害することが報告されている. ストレスが認知機能を低下させることを報告した研究において, 認知機能の中でも意思決定や目標志向的認知を司る遂行機能について検討したものが多数を占める. 遂行機能は抑制機能 (自己制御, 選択的注意など), ワーキングメモリー (情報の短期的な保持および更新), 認...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 21; no. 1; pp. 3 - 9
Main Authors 小笠原, 都貴子, 竹花, 澪, 富田, 有紀子, 石原, 暢, 水野, 眞佐夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 25.02.2016
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.21.1_3

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Summary:「1. 緒言」現代はストレスの時代と言われており, 平成25年の厚生労働省国民生活基礎調査では, 48%の人が日常生活でのストレスを感じていることが報告されている. 20代の青年期においてストレスや悩みを抱える者の割合が多く, 女性で50%以上, 男性で40%以上に上る. ストレスの受容は, 認知機能を阻害することが報告されている. ストレスが認知機能を低下させることを報告した研究において, 認知機能の中でも意思決定や目標志向的認知を司る遂行機能について検討したものが多数を占める. 遂行機能は抑制機能 (自己制御, 選択的注意など), ワーキングメモリー (情報の短期的な保持および更新), 認知の柔軟性 (創造性に関わる機能) を主要な下位組織とし, これらの要素が協働して論理的思考, 問題解決や計画の立案などを行う機能である. 遂行機能は仕事の継続, 就職, 心身の健康, QOLなど生活の幅広い側面との関係が示されており, ストレス環境下において遂行機能の低下を抑制する要因を特定することは重要な課題である.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.21.1_3